2006.08.07 Monday
二股の恋
今日は大阪の作業所で昼まで仕事をして、神戸の生活支援センターに行ってました。そしてそこで五時までいて、帰りすがら女一人と六人の男とで喫茶店に入りました。そこは家族経営で決して洒落たモダンな喫茶ではないのですが、二階まであって、BGMに癒し系の音楽が流れ僕がよく書き物をする行きつけの喫茶です。そこで三十分ぐらいわいわいがやがやと雑談をしていたのですが一人っきりの女が突然帰るといい出し、一階への階段を下りだしました。しかし昨日から三時間ほどしか眠ってないそうでよろけて階段から落ちかけました。だからその一番近くに座っていた僕が彼女の肘をもって下まで降ろしてやりました。そしてこのままではとても危険な状態なので、僕が彼女の最寄の駅まで付き合ってやることにしました。阪神御影の駅のホームまでずっと僕が彼女の二の腕をもってささえながらエスコートしてやりました。そして特急に乗り込みました。しかし彼女の最寄の駅は香枦園で、その特急は一つ向こうの西宮まで行ってしまいます。だから僕も同乗して香枦園まで引返してやるからといいましたが、彼女は梅田まで行ってやることがあると言い出しました。そのふらつく足元でです。しかし僕は彼女の彼でもなく、そう言われたらほっぺたをぶって強制するほど深い仲ではありません。ただ僕は先ほどの喫茶店で彼女の寝不足によるふらつく状態を見ているので、そんな危険なことはさせれない。喫茶店で別れた同じく彼女のことを心配する男たちの手前責任があります。彼女と帰り道がおんなじ方向だから同乗したとはいえ、彼女をそんな危険な状態で放り出して、途中で倒れられたりしたら付き添った僕の責任問題にもなります。だから梅田までついて行くことにしました。そしてその電車での道中が大変だったのです。途中電車の中で彼女はわざとよろけて僕に抱きつくまではしませんでしたが、体を預けておどけたりしだしました。彼女に思い切って「僕のことが好きなのか」と尋ねてみました。そこでもし仮に彼女に告白されて抱きつれたりしたら、僕の理性はどうなっていたかわかりません。しかし彼女はその答えについてはお茶を濁しました。そしてそのほかいろいろ女の武器として甘い声で僕に「誘って欲しい」と取られてもおかしくない挙動や話をしだしました。だから僕は実を言うとそのセンターに研修生としてきている専門学校の講師の娘を狙ってるんやと打ち明けました。それを聞いて彼女はがっかりしたのかどうだったのかはわかりませんでした。しかしそれでも「女がここまで言ってるのに誘わないのは男じゃない」というような素振りで話しかけ続けます。だからこう見えても僕は普段猥談ばっかり言っているけど、昔スナックでそこのウエイトレスに「今度一緒に映画に行かない」と明らかに告白されたことがある。でも自分が狙っている娘がいることを打ち明け、その娘が好きだからとその申し出を断ったことがあるんだよ。と話すと「へーかっこいい」といってくれました。そして彼女は梅田で会う人がいると言い出し、どうしても僕の助言を聞かないので、僕が出来る限界のことはやった。これ以上は彼女の生き方そのもので僕が立ち入るべき領域ではないと諦めて梅田で別れました。しかし電車の中でまるで出会ったばかりの恋人同士のように、いちゃつくに等しい行為や会話をしていたので、いまも彼女の顔が脳裏から離れません。しかし彼女はあれからどうしたのでしょう。謎です。それゆえに彼女が知らない人と会って何をするのか、そして寝不足であんなにふらついて彼女が無事家に帰り着いたのか大いに心配です。しかしあんな電車の中で女と夢のような会話をするのは生まれてはじめてなので、今日一日経験した出来事は僕の胸の奥で、いつまでも消えずに残るような気がします。
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