2006.08.16 Wednesday
鶴の恩返し
今日は作業所の友達と梅田まで約三十分ぐらいかけて自転車のツーリングをしました。大阪の第一ビルの一階に自転車を止め阪急方面にあるドトールというコーヒーショップでコーヒーを飲みました。そこはアイスコーヒーのSサイズが百八十円とファーストフード並みの割安で、しかも味のほうも上々で繁盛しています。それから北新地のアバンザビルにあるジュンク堂という西日本一巨大な書店を覗きました。そこは図書館並みに机と椅子が置いてあって、長居さえしなければ書き物もできる僕たち書き物が好きな人間にとってはうれしいスポットです。そこで三十分ほどいて家路につこうと自転車の置いてある場所まで帰りました。そこについてみるとなんと僕の自転車には「このまま放置すると撤去します」という張り紙がしてあり、友達のほうは撤去されて影も形もありません。そこは特に頻繁に撤去カーが来るスポットのようで、撤去された場合取り戻すのに二千五百円が必要とその保管場所が書いた立て札が立ってありました。その友達の家はかつかつの収入でやりくりしている家庭なので、友達は呆然と立ち尽くしました。僕は事なきを得ましたが、僕にも責任があるので「その半額を立て替えるよ」と財布から千円を抜きかけると、「ええ。ええ。もう十年も乗った古い自転車やからもうええわ。」とその助言を飲もうとしません。もし彼が「お前もここに止めようとしたんやから責任がある。半額払え。」などといわれたらお金が惜しくなるものですが、逆に「いやいやいいよ。」といわれたときの感激。「なんていい人なのだろう」と久しぶりに感動してしまいました。こう考えてみると人間の感情って不思議なものです。「払え。」といわれればいかにも惜しく、しぶしぶと払いますが、「いいよいいよ」といわれると「いやそんなぼくにも責任の一端はあるのに」と助けてあげたくなります。本当にいい人です。今度いつかこのとき受けた親切に答えるような「鶴の恩返し」をしてあげたいと思います。
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